【No348】美容医療の適切な実施について

厚生労働省は、自由診療で行われる美容医療について、不適切な事例に対する対応や、質の高い医療機関が患者に選ばれるための取組等について検討を行うため、令和6年6月27日より「美容医療の適切な実施に関する検討会」を4回にわたって開催し、令和6年11月22日に報告書を発表しました。

今回の医業経営FPNewsでは、当該報告書の概要についてご説明致します。

1.検討の経緯・観点

美容医療については、近年、治療の幅が広がるとともに心理的ハードルも低くなり、広く国民の需要が高まってきていると考えられます。これに伴って美容医療を提供する医療機関が増加している一方で、美容医療が提供される件数の増加に伴い、患者による相談件数や、身体に危害を受けた相談事例も増加していることが確認されています。

このため、厚生労働省は、美容医療の患者や医療機関等を対象とした実態調査を行うとともに、関係学会その他の関係者からヒアリングを行いました。

それらの実態等を踏まえて、特に、いわゆる美容を目的として行われる治療を美容医療として、美容医療の診療の場面における課題に関して、美容医療の特徴を踏まえ、「医療の質の向上」、「違法・違法疑い事例に対する対応」、「契約面の不適切事例への対応」についての3つの観点から本検討を行い報告書を作成しています。

厚生労働省「美容医療の適切実施に関する検討会 報告書」参照

2.美容医療の適切な実施に関する課題と対応策

厚生労働省が発表した「美容医療の適切な実施に関する検討会」の報告は以下の図のとおりとなります。

過去に開催された検討会の日時、議題等、議事録及び資料等についてはリンク先より閲覧・ダウンロードをすることが可能ですので、あわせてご確認ください。

厚生労働省「美容医療の適切実施に関する検討会 報告書(概要)」より引用

3.美容医療の診療を実施する医療機関における対応について

「美容医療の適切な実施に関する検討会 報告書(概要)」にあるように、現在の美容医療を取り巻く状況についての問題点の洗い出しが行われました。

今後は関連法やガイドライン等の整備に伴って、従来よりも美容医療を実施する医療機関がその運営上注意すべき項目が増加していくだけではなく、場合によっては、各監督官庁等からの取締り等が強化されることが予想されます。

ご自身の医療機関が、今回検討課題となった問題点に対して適切な対応ができているかの確認だけではなく、関連法やガイドライン等の制定・改正等に対する対応も必要となってくるのではないでしょうか。

(文責:税理士法人FP総合研究所)