【No343】マイナ保険証のスマートフォン対応等について
令和6年9月30日、厚生労働省は社会保障審議会医療保険部会でマイナ保険証のスマートフォン(以下スマホ)搭載を令和7年春にもリリースすることを公表しました。またマイナ保険証を基本とする仕組みへの円滑な移行に向けて来年夏の一斉更新までの暫定的な運用も公表しましたので、今回の医業経営FPNewsでは当該概要についてご案内します。
1.外来診療等におけるスマホ搭載対応
現行の顔認証付きカードリーダーに加えて、スマホに搭載された電子証明書をかざして読み取るための汎用カードリーダーを設置します。電子証明書の読み取り後、顔認証付きカードリーダーの画面上で同意登録をすると確認が完了します。Android及びiPhoneで同時に令和7年春にリリースし、実証事業を経た上で、医療機関等での普及を目指します。
厚生労働省「第183回社会保障審議会医療保険部会【資料2マイナ保険証の利用促進等について】」p15より引用
2.円滑な移行に向けた対応について
(1)マイナ保険証は、患者本人の健康・医療情報に基づくより良い医療の提供、緊急時の活用などのメリットがあり、医療DXを進める上での基盤となります。12月2日に現行の保険証の新規発行を終了し、 マイナ保険証を基本とする仕組みに移行するに当たっては、全ての方が安心して確実に保険診療を受けることができるよう、最大1年間は、現行の保険証を使用可能とし、デジタルとアナログの併用期間を設けることとしています。
(2)後期高齢者は、ITに不慣れなどの理由で、マイナ保険証への移行に一定の期間を要すると考えられるほか、75歳到達や転居に伴う後期高齢者医療への加入に際し資格取得届出の提出が省略されています。このため、12月2日以降にこれらの事情が生じた場合、保険者との直接の接点がなく届出の機会を通じて保険者が資格確認書の申請勧奨などを行うことが困難であり、本人が十分認識しないまま、現行の保険証が失効しマイナ保険証のみになるケースがあると考えられます。
円滑に上記(1)及び(2)に移行するため、以下のような暫定的な運用を行います。
①円滑な移行に向けて、デジタルとアナログの併用期間を確保するため、暫定的な運用として、来年夏の一斉更新までの間、現行の保険証が失効する後期高齢者に資格確認書を職権交付します。(保険資格の異動のない大半の後期高齢者との均衡を図る。)(9月26日付け事務連絡)
②あわせて、高齢者のマイナ保険証の利用促進、利用環境の整備の観点から、以下の取組を行います。
(マイナ保険証の利用促進)
・資格確認書等を送付する際に、マイナ保険証の使い方やメリット、カードの安全性等を周知
(マイナ保険証の利用環境の整備)
・ マイナ保険証の使い勝手を良くするため、顔認証端末の操作の負担が減るよう、包括同意画面を導入
・顔認証・暗証番号入力が難しい方でも対応できるよう、目視モードの利用改善に向けた改修等
厚生労働省「第183回社会保障審議会医療保険部会【資料2マイナ保険証の利用促進等について】」P17より参照
厚生労働省「第183回社会保障審議会医療保険部会【資料2マイナ保険証の利用促進等について】」P18より引用
(文責:税理士法人FP総合研究所)