【No341】電子処方箋管理サービス導入に係る補助金について

過去複数回(医業経営FPNews№222№249№271№279№310№334)にわたってご案内してきました電子処方箋ですが、令和7年4月より【医療DX推進体制整備加算】の施設基準として「電子処方箋を発行できる体制」が加わることもあり、導入を検討されている医療機関も多いと思います。そこで、今回の医業経営FPNewsでは電子処方箋管理サービス導入に係る補助金について詳しくご案内します。

1.医療情報化支援基金等による補助について

(1)事業の概要・スキーム

(補助の対象となる費用)

ア. 基本パッケージ改修費用:電子カルテシステム、レセプト電算化システム等の既存システム改修にかかる費用

イ. 接続・周辺機器費用:オンライン資格確認端末の設定作業、医師・薬剤師の資格確認のためのカードリーダー導入費用(カード取得費用は除く)

ウ. システム適用作業費用:現地システム環境適用のための運用調査・設計、システムセットアップ、医師、運用テスト、運用立会い等

①令和4年度から実施している医療機関・薬局に対する電子処方箋管理サービスの導入に係る費用への補助について、令和6年3月末までに導入した施設への特別補助率の適用を令和7年3月末導入施設までに継続した上、引き続き、令和6年度導入施設への補助を実施。 

厚生労働省「医療情報化支援基金等」より引用

また、令和7年3月末までに新機能(リフィル処方箋、口頭同意による重複投薬等チェック結果閲覧、マイナンバーカードによる電子署名対応、処方箋ID検索、調剤結果ID検索(薬局のみ)電子処方箋管理サービスの導入を同時に行った医療機関・薬局に対する費用への補助もあわせて実施。

厚生労働省「医療情報化支援基金等」より引用

電子処方箋を導入した医療機関・薬局に対して、電子処方箋管理サービスの新機能(リフィル処方箋、口頭同意による重複投薬チェック結果閲覧、マイナンバーカードによる電子署名対応、処方箋ID検索、調剤結果ID検索(薬局のみ))導入費用の補助を実施。

厚生労働省「医療情報化支援基金等」より引用

(2)補助金の申請方法

補助金は、医療機関等向け総合ポータルサイトより申請できます。

詳しい申請方法は、「電子処方箋管理サービス等関係補助金の申請について」に申請様式、申請に必要な書類、補助対象、申請の流れ等が掲載されています。

厚生労働省HP「電子処方箋 .補助金」参照

2.都道府県による導入費用の助成事業について

(1)施策の目的と概要

一部の都道府県では、オンライン資格確認等システムを導入した概ねすべての医療機関・薬局における電子処方箋管理サービスの導入に向けて、その導入費用の助成を支援することで電子処方箋の活用・普及を促進する目的により、電子処方箋の活用・普及に向けて、医療機関等への導入費用の助成を補助すると決定しています。

厚生労働省「令和年度補正予算 電子処方箋の活用・普及事業」参照

■本助成事業に係る国庫補助金の交付が決定した都道府県

青森県、秋田県、山形県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、長野県、愛知県、三重県、大阪府、広島県、山口県、福岡県、熊本県

■本助成事業に係る国庫補助基準額を通知(内示)した都道府県

宮城県、石川県、滋賀県、奈良県、和歌山県、岡山県

上記が2024年7月時点で決定している都道府県となります。

補助条件や補助金額、申請期間等は都道府県により異なりますので、各都道府県のHPをご確認下さい。ここでは、東京都と大阪府の実施要綱(医療機関向け)を例としてご案内します。

(2)東京都の実施要綱

①補助対象者

都内に開設する医療機関

ただし、健康保険法第63条第3項各号に定める病院又は診療所(ただし、都が開設している病院及び診療所を除く。)に限る。

②補助対象事業

(ア) 電子処方箋管理サービスを初期導入((ウ)に掲げるものを除く。)するために行うレセプトコンピューター及び電子カルテシステム等の既存システムの改修、導入に付随する対象医療機関職員への実施指導等の費用(以下「導入費用」という)

(イ) 電子処方箋管理サービスの初期導入とは別に「電子処方箋管理サービスの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書」に掲げられた「リフィル処方箋」「口頭同意による重複投薬等チェック結果の閲覧」「マイナンバーカード署名」「処方箋ID検索」に関する機能(以下「新機能」という)の導入費用

(ウ) 電子処方箋管理サービスの初期導入と新機能を同時に導入するための導入費用

③補助条件

申請時点で既に電子処方箋管理サービスの整備を終えており、かつ「② 補助対象事業」に掲げる事業について、既に社会保険診療報酬支払基金から補助金の交付決定を受けていること。

④補助金額

東京都保健医療局HP「医療機関における電子処方箋の活用・普及の促進事業」より引用

⑤申請期間

令和6年10月10日(木)から令和6年12月27日(金)まで

⑥申請方法

東京都HPの特設ページよりご確認下さい。

東京都保健医療局HP「医療機関における電子処方箋の活用・普及の促進事業」参照

(3)大阪府の実施要綱

①補助対象者

府内の保険医療機関(病院、医科・歯科診療所)

②補助対象事業

(ア)電子処方箋管理サービスの初期導入に係る事業((ウ)を除く)

(イ)電子処方箋管理サービスの新機能拡充に係る事業

(ウ)(ア)と(イ)を同時導入に係る事業

③補助条件

電子処方箋管理サービスを導入した上で、電子処方箋の普及促進における周知、啓発に協力している保険医療機関等であり、社会保険診療報酬支払基金から電子処方箋管理サービスの導入に係る補助金交付決定通知を受けていること。

④補助金額

大阪府HP「電子処方箋普及促進事業の実施について」より引用

⑤申請期間

1次募集(令和6年7月29日~令和6年10月31日)

2次募集(令和6年12月2日~令和7年1月31日)

※予算上限に達した場合は申請期間に関わらず、受付を終了する場合があります。

⑥申請方法

大阪府行政オンラインシステムよりご確認下さい。

大阪府HP「電子処方箋普及促進事業の実施について」参照

(文責:税理士法人FP総合研究所)