【No333】医療DX推進体制整備加算の見直しについて

医業経営FPNewsNo.323でご案内しました2024年度診療報酬改定で創設された医療DX推進体制加算が、早くも見直され、10月以降は1~3の3段階に再編されることが、令和6年7月17日の厚生労働省中央社会保険医療協議会の答申により示されました。今回の医業経営FPNewsでは、その再編内容についてご案内します。

1.再編内容(案)

答申によると、現行の同加算の点数(医科8点、歯科6点、調剤4点)は新加算3に引き継がれ、新加算1は医科11点、歯科9点、調剤7点に、新加算2は医科10点、歯科8点、調剤6点に拡張されます。

この新区分は、マイナ保険証利用に「十分な実績」を有している場合に加算1、「必要な実績」の場合に加算2、単に「実績」を有している場合に加算3が算定できる仕組みです。

再編案によると、これらの実績の度合いはマイナ保険証利用率で判断され、令和6年7月・8月の実績により10月以降の加算を、令和6年10月・11月の実績により来年1月以降の加算を決定するとされています。

また、加算1と加算2を算定する場合には、「マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じること」との施設基準も追加されます。

厚生労働省「総ー9答申について(医療DX推進体制整備加算及び医療情報取得加算の見直し)」引用

(注)マイナ保険証利用率の算定方法は、下記のように規定されています。

①レセプト件数ベース利用率(2か月後に把握可能)
=マイナ保険証の利用者数の合計÷レセプト枚数

②オンライン資格確認件数ベース利用率(1か月後に把握可能)
=マイナ保険証の利用件数÷オンライン資格確認等システムの利用件数

さらに同答申により、医療情報取得加算の見直しも示されています。現在は紙の保険証の場合に加算1、マイナ保険証を利用した場合に加算2と2つに区分されていますが、令和6年12月2日に健康保険証の発行が終了することからこの区分が廃止され、12月以降は「医療情報取得加算 1点」に一本化されます。

厚生労働省「総ー9答申について(医療DX推進体制整備加算及び医療情報取得加算の見直し)」引用

厚生労働省「【会議資料全体版】第592回総会資料」P.30~46参照

2.届出に関する事項について

すでに医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている保険医療機関・薬局は、届出直しは不要であることとされています。ただし、すでに施設基準を届け出た保険医療機関・薬局において、マイナ保険証利用率要件が基準に満たない場合には、加算を算定できないことを疑義解釈通知で規定予定としています。

厚生労働省「【会議資料全体版】第592回総会資料」P.46参照

3.さいごに

これらの見直しについては、近く告示が公布され、関連通知なども追って出されるものと思われます。今後の情報にもご注目ください。

(文責:税理士法人FP総合研究所)