【No325】ベースアップ評価料届出の事前準備について
令和6年5月20日に厚生労働省による診療報酬オンラインセミナーが開催されました。今回の医業経営FPNewsでは、当該オンラインセミナーよりベースアップ評価料届出の事前準備に関する内容をご案内します。なお、診療報酬オンラインセミナーはリンク先の厚生労働省のホームページ内で動画の視聴が可能です。今回ご案内するベースアップ評価料届出の事前準備については、動画の6分42秒あたりから説明が始まります。
1.ベースアップ評価料の概要
医業経営FPNews No.319にて詳しくご案内しておりますので、リンク先よりご確認ください。
2.届出の事前準備①≪対象職員のリストアップ≫
賃金改善計画書を作成するため、対象職員を「看護職員等(保健師、助産師、看護師及び准看護師)」「薬剤師」「看護補助者」「その他の対象職種」の4グループに分けてリストアップし、グループ別及び総合計を計算します。なお、対象職種には含まれていない専ら事務作業(※1)を行う職員についても賃金改善計画書に記載が必要となります。
※1 医療を専門とする職員の補助として行う事務作業以外の事務作業のこと
厚生労働省 診療報酬オンラインセミナー【資料3】ベースアップ評価料届出の事前準備についてP.1~2 参照
3.届出の事前準備②≪ベースアップ評価料における給与総額、基本給等総額の定義≫
ベースアップ評価料届出を作成する際に、「給与総額」や「基本給等総額」といったワードが出てきます。ここでは、これらの定義についてご案内致します。
給与総額:ベースアップ評価料の決定の際に用いるものであり、以下のすべての合計となります。
(1)基本給等
①基本給
②決まって毎月支払われる手当
(2)決まって毎月支払われる手当以外の毎月金額が固定ではない手当
(3)賞与
(4)法定福利費の事業主負担分 ※上記(1)~(3)の合計の16.5%の金額にて計上可能
厚生労働省 診療報酬オンラインセミナー【資料3】ベースアップ評価料届出の事前準備についてP.4 引用
基本給等総額:賃上げ計画の作成の際に用いるものであり、以下の項目をベースアップによる賃金改善分として含めることができます。
(1)基本給等
①基本給
②決まって毎月支払われる手当
(2)以下のうち、(1)基本給等に連動して引き上げられる部分 ※業績連動分は含めない
①賞与
②法定福利費の事業主負担分
厚生労働省 診療報酬オンラインセミナー【資料3】ベースアップ評価料届出の事前準備についてP.5 引用
4.さいごに
令和6年5月20日の厚生労働省保険局医療課事務連絡により、ベースアップ評価料に係る施設基準の届出スケジュールについて一部変更が発表され、「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」、「歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」及び「訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)」については、令和6年6月1日から算定を受ける場合の届出の期限が令和6年6月21日に延長されることとなりました。変更後の取り扱いは以下のとおりです。
令和6年5月20日 厚生労働省保険局医療課事務連絡「令和6年度診療報酬改定で新設されたベースアップ評価料に係る届出について」引用
また、厚生労働省のホームページ上に、給与総額やベースアップ評価料の見込みを計算する際に活用できる「ベースアップ評価料計算支援ツール」や、賃金改善計画書を作成する際に活用できる「ベースアップ評価料賃金改善計画書計算ツール」などが公開されておりますので、書類作成の際に活用されてはいかがでしょうか。
(文責:税理士法人FP総合研究所)