【No321】医療法人の業務範囲及び附帯業務の一部改正について
厚生労働省医政局長が令和6年3月29日に通知しました医政発0329第51号により医療法人の業務範囲のうち附帯業務の一部が改正されました。今回の医業経営FPNewsでは、医業法人の業務範囲の基本的な事項及び改正の内容についてご案内致します。
1.医療法人の業務範囲(令和4年2月22日現在)
医療法人の業務範囲は、Ⅰ.本来業務、Ⅱ.附帯業務、Ⅲ.収益業務、Ⅳ.附随業務に分類されます。
Ⅰ.本来業務
医療法人は、病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の開設を目的として設立される法人になります(医療法第39条)。
Ⅱ.附帯業務
医療法人は、その開設する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の業務に支障のない限り、定款又は寄附行為の定めるところにより、一定の業務を行うことができます(医療法第42条各号)。なお、附帯業務を委託すること、又は本来業務を行わず、附帯業務のみを行うことは医療法人の運営として不適当であるとされています。
【具体例】
・看護専門学校
・疾病予防運動施設
・薬局
・訪問看護ステーション
・訪問介護ステーション
Ⅲ.収益業務
社会医療法人は、その開設する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の業務に支障のない限り、定款又は寄附行為の定めるところにより、その収益を当該社会医療法人が開設する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の経営に充てることを目的として、厚生労働大臣が定める業務(収益業務)を行うことができます。なお、これらの業務を行うには、医療法関係法令の規定に基づく定款・寄附行為の変更手続の他に、それぞれの業務に係る関係諸法令に基づく許認可、届出等の手続が必要になります。
【収益業務の例】
・卸売業、小売業
・不動産業、物品賃貸業(建物売買業、土地売買業を除きます)
・宿泊業、飲食サービス業
Ⅳ.附随業務
開設する病院等の業務の一部として又はこれに附随して行われるものは収益業務に含まれず、特段の定款変更等を要すことなく、附随業務として行うことが可能です。
【具体例】
・病院等の建物内で行われる売店
・敷地内で行われる駐車場業
厚生労働省「医療法人の業務範囲〈令和4年2月22日現在〉」参照
2.附帯業務の一部改正
困難な問題を抱える女性への支援に関する法律及び児童福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴い、令和6年4月1日より医療法人の附帯業務が以下のとおり改正されました。
厚生労働省「「医療法人の附帯業務について」の一部改正について」参照
(文責:税理士法人FP総合研究所)