【No309】「両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)」について
令和6年1月より厚生労働省は、両立支援等助成金に「育休中等業務代替支援コース」を新設しました。この制度は、育児休業や育児短時間勤務を取得・利用する従業員の業務を代替する体制整備に対する支援を強化することを目的としています。
本助成金は、医療機関が周囲の従業員に手当等を支払って代替させた場合(1 手当支給等)、代替する労働者を新規雇用(または新規の派遣受入れ)した場合(2 新規雇用)を対象に支給されます。
そこで、今回の医業経営FPNewsではこちらの助成金についてご案内します。
1.事業の目的
本助成金は働き続けながら子どもの養育を行う従業員の雇用の継続を図るための就業環境整備に取り組む事業主に対して支給されます。それにより、職業生活と家庭生活の両立支援に対する事業主等の取組みを促進し、労働者の雇用の安定を図ることを目的とします。
2.概要
(1)手当支給等
育児休業を取得した労働者や育児のための短時間勤務制度を利用した労働者が行っていた業務について、周囲の労働者に手当等を支払った上で代替させた場合に、支払った手当額に応じた額が支給されます。
①手当支給等(育児休業) 育児休業を取得する労働者の代替
厚生労働省「令和6年1月から両立支援等助成金に「育休中等業務代替支援コース」を新設します」より引用
②手当支給等(短時間勤務) 育児短時間勤務を利用する労働者の代替
厚生労働省「令和6年1月から両立支援等助成金に「育休中等業務代替支援コース」を新設します」より引用
(2)新規雇用(育児休業)
育児休業を取得した労働者が行っていた業務を代替する労働者を新規に雇い入れた場合(新規の派遣受入れを含む)に、業務を代替した期間の長短に応じた額を支給します。
厚生労働省「令和6年1月から両立支援等助成金に「育休中等業務代替支援コース」を新設します」より引用
3.支給の上限
2.(1)①手当支給等(育児休業)、2.(1)②手当支給等(短時間勤務)、2.(2)新規雇用(育児休業)において以下を上限に支給されます。
・1事業主1年度につき対象育児休業取得者と制度利用者の合計で10人まで
・初回の対象者が出てから5年間
※ただし、初回の対象労働者が生じるまでにくるみん認定・トライくるみん認定を受けている事業主は、令和11年3月31日までに合計50人までとなります。
・同一労働者の同一の子に係る育児休業・短時間勤務については、2.(1)、2.(2)のいずれも1回に限り対象となります(ただし、(2)については、支給申請は制度利用1年ごとに行う必要があります)。また、同一の子にかかる育児休業については、(1)と(2)はいずれか一方のみが対象となります。
厚生労働省「令和6年1月から両立支援等助成金に「育休中等業務代替支援コース」を新設します」を参照
4.制度の適用開始時期
令和6年1月1日以降に育児休業(※)が開始した場合・育児短期時間勤務が開始した場合、育休中等業務代替支援コースの対象となります。
(※)産後休業の終業後引き続き育児休業をする場合は、産後休業が開始した場合
(文責:税理士法人FP総合研究所)