【No252】健康保険証とマイナンバーカードの一体化
令和4年10月13日の記者会見で河野太郎デジタル大臣は、2024年秋に現在の健康保険証を廃止することを発表しました。しかしながら、健康保険証とマイナンバーカードの一体化にあたっては、マイナンバーカードの交付枚数の増加、医療機関のオンライン資格確認への対応などクリアすべき課題が多数存在しています。
今回の医業経営FPNewsでは、令和4年10月13日の河野太郎デジタル大臣の記者会見を中心にご紹介します。
1.令和4年10月13日の記者会見の要旨
令和4年10月13日の記者会見のうち、健康保険証とマイナンバーカードの一体化に関する要旨は以下のとおりになります。
・訪問診療、あんま、鍼灸などにおいてマイナンバーカードに対応するための補正予算の要求を予定
・マイナンバーカードの取得の徹底、カードの手続き・様式の見直しの検討
・マイナンバーカードと健康保険証の一体化については、特に細部にわたりきめ細かく環境を整備する必要性
・医療を受ける国民、医療を提供する医療機関関係者などの理解を得るための取り組みの必要性
デジタル庁「河野大臣記者会見(令和4年10月13日)」を参照
なお、令和4年9月末日におけるマイナンバーカードの交付状況は、以下のとおりになります。
総務省「マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和4年9月末時点」より引用
2.令和4年10月13日の記者会見の質疑応答
令和4年10月13日の記者会見における質疑応答のうち一部を抜粋して紹介します。
(問)健康保険証についてお伺いするんですが、マイナンバーカードを取得しない人が医療機関を訪れた際にどう対応するかということと、例外、原則なのか、例外というのは設けないのか教えてください。
(答)24年秋に保険証を廃止するということを目指してまいります。ご理解がいただけるように、しっかり努力をしていきたいと思っております。
(問)24年秋という時期の目途、これ何か今の普及率とかとの計算でおかれているのか、どのような背景があるんでしょうか。
(答)様々なことを総合的に判断して、24年秋ということにしました。
(問)同じくマイナ保険証についてお伺いします。24年の秋の実現を目指すということですけれども、それに向けて現状大臣が考えられている課題、具体的にどういうものがあるかと、それをどう乗り越えていきたいとお考えなのか。その2点をお願いします。
(答)まずしっかりと取得をしていただくというのが大事ですし、医療機関がこれに対応できるようなカードリーダーの申し込みが既に医療機関の8割を超えております。まだシステム改修が必要になりますので、運用開始をしているところは3割とちょっとギャップがありますが、そこはしっかり頑張っていただきたいと思っております。その他、訪問介護など対応をこれからやっていかなければいけないところがありますので、間に合うようにしっかりやっていきたいと思っております。
(問)診療報酬の改定であるとか、今読み取り機器の更なる加速のための補助金の、例えば増額であるとか、そういった予算を含む制度的な加速の今案とかがあれば教えていただきたいんですけれども。
(答)今度の経済対策に盛り込んでいくことになると思いますので、決まり次第ご報告いたします。
デジタル庁「河野大臣記者会見(令和4年10月13日)」を参照
3.マイナンバーカードの保険証利用登録件数
マイナンバーカードの保険証利用登録件数は、以下のとおりになります。
厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」より引用
令和4年1月1日の人口125,927,902人に対し、21.16%の普及率になっております。また、令和4年1月1日の交付枚数61,657,397枚に対し、43.22%の普及率になっております。
(文責:税理士法人FP総合研究所)