【No243】オンライン資格確認等システムに関する診療報酬改定
令和4年8月10日に開催されました中央社会保険医療協議会総会(第527回)において、オンライン資格確認等システムを通じた患者情報の活用に係る診療報酬上の評価(電子的保健医療情報活用加算)を廃止することが決定しました。令和4年10月から、電子的保健医療情報活用加算は廃止され、点数が減少した上で医療情報・システム基盤整備体制充実加算として新設されることになります。
1.オンライン資格確認等システムを通じた情報活用に係る現行の評価の廃止
電子的保健医療情報活用加算は令和4年度診療報酬改定で新設されましたが、「医療DXの基盤となるオンライン資格確認等システムの導入が原則義務化されることを踏まえ」廃止することが決定しました。
中央社会保険医療協議会総会(第527回)「総-12-2」より引用
2.初診時等における診療情報取得・活用体制の充実に係る評価の新設
上記1.の廃止に伴い、「医療DXの推進により、国民が医療情報の利活用による恩恵を享受することを推進する観点から、初診時等における情報の取得・活用体制の充実及び情報の取得の効率性を考慮した評価」が新設されます。この評価は、令和4年10月1日から適用されます。
中央社会保険医療協議会総会(第527回)「総-12-2」より引用
医療情報・システム基盤整備体制充実加算は、初診料(初診料が包括されている小児かかりつけ診療料なども含みます。)を算定する際に上乗せされます。施設基準を満たす医療機関で通常の保険証を利用する場合には、加算1の4点が算定されます。これに対して、マイナンバーカードを保険証として利用する場合には、加算2の2点が算定されます。しかし、施設基準を満たさない医療機関を受診した場合には、当該加算はないため「今後、患者の同意の下でいかすことができる患者の健康・医療情報が拡大し、さらに安心・安全でより良い医療が受けられる環境が整備されていくということが、患者・国民に広く浸透するよう、関係者が連携して周知を図っていくこと」とされています。
中央社会保険医療協議会総会(第527回)「総-13別添」より一部引用
なお、廃止される電子的保健医療情報活用加算は初診時以外にも算定が可能となっておりました。
(文責:税理士法人FP総合研究所)