【No229】リフィル処方箋の導入について②
令和4年4月1日より運用が開始されているリフィル処方箋について、医業経営FPNews No221「リフィル処方箋の導入について」で制度の概要と仕組みをご案内しました。今回は第2弾として、リフィル処方箋の対象となる薬品の判別と、令和4年度診療報酬改定の取扱いに係る疑義解釈の中からリフィル処方箋に関する事項についてご案内します。
1.リフィル処方箋の対象となる薬品の判別
現状、リフィル処方箋の対象となる薬品について、詳細なリストは公表されていません。しかし、厚生労働省が公表している「令和4年度診療報酬改定の個別改定項目について」において、リフィル処方箋は「保険医療機関及び保険医療養担当規則において、投薬量に限度が定められている医薬品及び湿布薬については、リフィル処方箋による投薬を行うことはできない。」 と定義されています。つまり、明確に対象外と定義されている薬品以外は医師の判断により処方を行うしかないことになります。
保険医療機関及び保険医療養担当規則第20条第2項第2号ヘには「投薬量は、予見することができる必要期間に従つたものでなければならないこととし、厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬については当該厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬ごとに一回十四日分、三十日分又は九十日分を限度とする。」と記載されています。
厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬とは、療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等 第十条二に記載がありますが、直近では令和4年3月4日に一部改正が公表されましたので改正内容を抜粋してご案内します。
【投薬期間に上限が設けられている医薬品】
①投薬量又は投与量が14日分を限度とされる内服薬及び外用薬並びに注射薬として、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第2条第1号に規定する麻薬等を定めたものである。
②投薬量又は投与量が30日分を限度とされる内服薬及び外用薬並びに注射薬として、アルプラゾラム等を定めたものである。
③投薬量が90日分を限度とされる内服薬として、ジアゼパム等を定めたものである。
④投与期間に上限が設けられている麻薬又は向精神薬の処方は、薬物依存症候群の有無等、患者の病状や疾患の兆候に十分注意した上で、病状が安定し、その変化が予見できる患者に限って行うものとする。そのほか、当該医薬品の処方に当たっては、当該患者に既に処方した医薬品の残量及び他の医療機関における同一医薬品の重複処方の有無について患者に確認し、診療録に記載するものとする。
2.令和4年度診療報酬改定の取扱いに係る疑義解釈
令和4年3月31日事務連絡において、令和4年度診療報酬改定の取扱いに係る疑義解釈が公表されましたので、リフィル処方箋に関する事項を抜粋してご案内します。
医科診療報酬点数表関係
【リフィル処方】
調剤報酬点数表関係
【リフィル処方箋による調剤】
厚生労働省 事務連絡 令和4年3月31日 疑義解釈資料の送付について(その1)より抜粋
(文責:税理士法人FP総合研究所)