【No170】新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)について
前号N0.169に引き続き、令和2年12月15日(火)に閣議決定されました第三次補正予算案の中から新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)をご紹介します。
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)については、令和2年度第二次補正予算(予算4,132億円)で創設され、既に実施が進んでいる制度です。今回の第三次補正予算案では、第二次補正予算で創設された制度が十分に実施されるように予算の積み増しを行うこととなっています。(従いまして、第三次補正予算で新たな制度が創設されるということではありません。)
この交付金の申請については既に申請期限が到来している都道府県もありますが、まだ申請期限が到来していない都道府県で介護サービス事業所・介護施設等(みなし指定となるサービスを行う医療機関を含む)を運営されている方は、交付金のご活用をご検討ください。
※申請については、各都道府県が窓口となります。申請期限・申請金額・対象サービスについては、各都道府県にお問い合わせください。
事業目的
・介護サービスは高齢者やその家族の生活を支え、高齢者の健康を維持する上で不可欠。感染による重症化リスクが高い高齢者に対する接触を伴うサービスが必要となる介護サービスの特徴を踏まえ、最大限の感染症対策を継続的に行いつつ、必要なサービスを提供する体制を構築する必要。
・このため、必要な物資を確保するとともに、感染症対策を徹底しつつ介護サービスを再開し、継続的に提供するための支援を実施。
・また、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じながら介護サービスの継続に務めていただいた職員に対して慰労金を支給する。
事業内容
令和2年度第二次補正予算で創設した以下の支援が十分に実施できるよう交付金の積み増しを行う。(予算786億円)
(1)感染症対策の徹底支援
感染症対策を徹底した上での介護サービス提供を支援
(感染症対策に要する物品購入、外部専門家等による研修実施、感染発生時対応・衛生用品保管等に柔軟に使える多機能型簡易居室の設置等の感染症対策実施のためのかかり増し費用)
(2)介護施設・事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給
・新型コロナウイルス感染症が発生又は濃厚接触者に対応した施設・事業所に勤務し利用者と接する職員に対して慰労金(20万円)を支給
・上記以外の施設・事業所に勤務し利用者と接する職員に対して慰労金(5万円)を支給
※慰労金は、所得税法の非課税規定に基づき、非課税所得に該当します。また、令和2年度特別定額給付金等に係る差押禁止等に関する法律に基づき、受給権について、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることが禁止され、支給を受けた金銭についても、差し押さえることが禁止されています。
(3)在宅サービス事業所における環境整備への支援
「3つの密」を避けてサービス提供を行うために必要な環境整備を支援
※上記(1)について、同一事業所で医療保険と介護サービスの両方を提供している場合においては、かかり増し費用をそれぞれで按分することによって「医療機関・薬局等における感染拡大防止等の支援」制度との併用が可能です。
※これらの事業内容は、既に実施が進んでいる制度です。慰労金並びにその他の交付金につきましては、一度しか給付を受けることができませんので、ご注意ください。
厚生労働省「令和2年度第三次補正予算案(参考資料)」P.13
支援対象サービス
全ての介護サービス事業所(訪問系サービス事業所、通所系サービス事業所、短期入所系サービス事業所、及び多機能型サービス事業所)及び介護施設等
(1) 訪問系サービス事業所:訪問介護事業所、訪問入浴介護事業所、訪問看護事業所、訪問リハビリテーション事業所、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所、夜間対応型訪問介護事業所、居宅介護支援事業所、福祉用具貸与事業所及び居宅療養管理指導事業所
(2)通所系サービス事業所:通所介護事業所、地域密着型通所介護事業所、療養通所介護事業所、認知症対応型通所介護事業所及び通所リハビリテーション事業所
(3)短期入所系サービス事業所:短期入所生活介護事業所及び短期入所療養介護事業所
(4)多機能型サービス事業所:小規模多機能型居宅介護事業所及び看護小規模多機能型居宅介護事業所
(5)介護施設等:介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、認知症対応型共同生活介護事業所、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅
※各介護予防サービス及び介護予防・日常生活支援総合事業(指定サービス・介護予防ケアマネジメント)を含みます
感染症対策の支援に係る対象経費の例
衛生用品等の感染症対策に要する物品購入、外部専門家等による研修実施、(研修受講等に要する)旅費・宿泊費、受講費用等、多機能型簡易居室の設置等、消毒費用・清掃費用、感染防止のための増員のため発生する追加的人件費や職業紹介手数料、自動車・自転車の購入又はリース費用、ICT機器の購入又はリース費用(通信費用を除く)、普段と異なる場所でのサービスを実施する際の賃料・物品の使用料職員の交通費、利用者の送迎に係る費用
(担当:竹内 吾郎)