【No161】「令和2年度インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の電話相談体制整備事業」について
前回に引き続き、インフルエンザ流行期に備えた医療体制を確保するため「令和2年度インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金」の一つである発熱患者の電話相談体制を整備した場合に受給できる補助金について解説します。
1.事業概要について
(1)交付の目的及び対象
インフルエンザ流行期に備えて、インフルエンザ流行の規模が予測できない中で、多数の発熱患者等が適切に相談を受けられる電話相談体制を整備することにより、感染症対策の強化を図ることを目的としています。そしてこの補助金事業は、受診・相談センターからの依頼を受けて、当該センターの代理的機能として、地域の発熱患者等の土日祝日や夜間の電話相談業務を行う医療機関に対して、当該電話相談業務に必要な費用(消耗品、備品購入、賃借料、保険料、光熱水費など)について、100万円の範囲内で実費支援されるものです。
(2)医療機関の指定要件等
電話相談体制を整備した医療機関の指定要件等については、厚生労働省事務連絡『令和2年度インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金に係る対応について』の9ページから10ページにあります別紙3をご参照ください。なお、指定手続きについては都道府県ごとに行うこととなっていますので、詳しい手続方法は各都道府県にお問い合わせください。
(3)補助対象経費
受診・相談センターからの依頼を受けた日から令和3年3月 31日までにかかる電話相談業務に必要な次に掲げる経費で具体的には以下のとおりです。
賃金、報酬、謝金、需用費(消耗品費、印刷製本費、材料費、光熱水費)、役務費(通信運搬費、手数料、保険料)、委託料、使用料及び賃借料、備品購入費
2.厚生労働省への申請について
(1)提出期限
令和2年 10月 30 日とされていますが、それ以降も随時受け付けていますので、都道府県から指定を受けた後、できる限り速やかにご提出ください。
(2)申請書
申請される方は申請書をダウンロードして記載してください。
なお、詳細は交付要綱をご確認のうえ、申請書に関係書類を添えて、厚生労働省発熱外来診療体制確保支援事業担当までご郵送ください。
3.補助金の実績報告書の提出について
補助金の交付を受けた場合には、事業完了後などの機会に実績報告書を提出しなければなりません。また、令和2年度の消費税及び地方消費税の確定申告により、補助金に係る消費税及び地方消費税に係る仕入控除税額が確定した場合(0円の場合を含む)は、遅くとも事業完了日の属する年度の翌々年度6月30日までに消費税等の仕入税額控除報告書を厚生労働省へ提出しなければなりません。これらに関しては後日発表されますので、厚生労働省のホームページをご確認ください。
4.留意事項
(1)本補助金は実費支給ですので、事業実績報告書における国庫補助精算額が、事業実績報告時に既に交付している額より少ない場合には、補助金の額の確定後に差額分について返金する必要があります。また、補助金に係る仕入控除税額がある場合には、当該仕入控除税額を返金することになるので、資金管理にはご留意ください。
(2)本補助金により30万円以上(地方公共団体は50万円以上)の機械、器具及びその他の財産を取得した場合、厚生労働大臣の承認を受けないで、当該財産を耐用年数より前に補助金の目的に反して使用することや、譲渡、交換、貸付、担保、廃棄することはできません。内容によっては補助金の全部又は一部を返納いただくこととなります。
なお、国庫補助金等により資産等を取得した場合には、補助金への課税を一時的に繰り延べる圧縮記帳制度の適用を受けることも考えられます。しかし、補助金のすべてが圧縮対象固定資産に係るものではなく、他の補助対象経費と合算で補助金対象となった場合、圧縮対象固定資産に係る補助金相当額を算出するにも区分が曖昧である等の理由から現時点で適用できるか不確定であることにご留意ください。
(担当:堀口 敬介)