【No512】「賃金の一定割合を支給する教育訓練休暇給付金の創設」について
産業構造の変化などにより、2025年10月1日より施行される教育訓練休暇給付金は、雇用保険の被保険者が職業に関する教育訓練を受けるため、休暇を取得する際に給付金を受け取ることのできる制度です。趣味等自分の職業と無関係な訓練は支給対象にはなりません。今回は手続きイメージ・対象者・支給要件・給付内容・国庫負担について、ご説明致します。
(1)中小企業の人材育成の現状と必要性
①現 状
(出典:中小企業白書)
「人材育成に注力すべきとわかっていても、注力できていない企業が多いのが実情」
②経営計画の必要性
従業員は休暇を申請、給付金を受給しながら、教育訓練を受けることになります。その間の代替要員などの準備も必要になるかもしれません。教育訓練休暇の導入に関する規定の作成も必要となるでしょう。望ましい人材教育に向け自社の経営理念や経営戦略と連動した、人材育成プログラム作成が重要です。
(2)手続きイメージ
(出典:厚生労働省)
(3)対象者
対象者は、解雇予定者を除いた雇用保険の被保険者です。そのため、以下の要件が必要です。
①1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
②31日以上の雇用が見込まれること。
学校教育法第1条にいう学校の学生で、学校当局の証明のない昼間学生は、被保険者となれません。
(4)受給要件
① 教育訓練のための休暇(無給)を取得が必要です。有給休暇として取得すると受給要件を満たさないので注意が必要です。
② 被保険者期間が5年以上かつ休暇開始前2年間にみなし被保険者期間12ヶ月以上が必要です。
(5)給付内容
① 離職した場合に支給される基本手当(失業手当)の額と同じです。
② 給付日数は、雇用保険の加入期間に応じて所定日数が定められています。
(出典:厚生労働省)
(文責:税理士法人FP総合研究所)