【No483】フリーランス新法がスタート

「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が2024年11月に施行されます。下請法よりも広い範囲での保護を図る法律であるため、個人事業主やフリーランスと取引を行う企業は、注意が必要です。

(1)法律の目的

この法律は、フリーランスの方が安心して働ける環境を整備するため以下の2点を図ることを目的としています。

フリーランス(注1)の方と企業などの発注事業者の間の取引の適正化

②フリーランスの方の就業環境の整備

(2)法律の適用対象

発注事業者からフリーランスへの「業務委託」(事業者間取引)に対して適用となります。

①フリーランスとは業務委託の相手方である事業者で、従業員(注2)を使用しないものをいいます。

②発注事業者とは、フリーランスに業務委託(注3)する事業者で、従業員を使用するものをいいます。

(出典:厚生労働省)

(注1)特定の事業者との関係で従業員として雇用されている個人が、副業で行う事業について、事業者として他の事業者から業務委託を受けている場合には、この法律におけるフリーランスにあたります。

(注2)従業員には、短時間・短期間等の一時的に雇用される者は含みません。具体的には週労働20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる者が従業員にあたります。

(注3)契約名称が業務委託であっても、働き方の実態として労働者である場合は、この法律は適用されず、労働基準法等の労働関係法令が適用されます。

(3)法律の内容

発注事業者が満たす要件に応じてフリーランスに対しての義務の内容が異なります。

(注4)締め日を設けている場合には、受領日から支払日の期間が長くなることが考えられます。

(注5)支払方法が金融機関への振込払いである場合、業者と書面で合意せずに金融機関の振込手数料を報酬金額から差し引いて支払うことは減額支払いに該当する恐れがあります。

(注6)発注者が、自己のために協賛金等の金銭の提供を要請することや、手伝い要員の派遣等の役務の提供を要請することは、不当な経済上の利益の提供要請に該当する恐れがあります。

(注7)配慮事例

・「子の急病により予定していた作業時間の確保が難しくなったため、納期を短期間繰り下げたい」との申出に対し、納期を変更すること。

・「介護のために特定の曜日についてはオンラインで就業したい」との申出に対し、一部業務をオンラインに切り替えられるよう調整すること 

やむを得ず必要な配慮を行うことができない場合には、配慮を行うことができない理由について説明することが必要です。

(出典:厚生労働省 公正取引委員会)

(文責:税理士法人FP総合研究所)