【No474】森林環境税及び森林環境譲与税について

 森林環境税は、令和6年度より新たに住民税に上乗せされる形で徴収される税金です。給与所得者は令和6年6月から徴収が始まり、公的年金受給者は令和6年10月から徴収が開始します。

1.森林環境税及び森林環境譲与税とは

森林環境税とは、令和6年度から国内に住所のある個人に対して課税される国税であり、市町村において、個人住民税均等割と併せて一人年額1,000円が徴収されます。その税収の全額が、国によって森林環境譲渡税として都道府県・市町村へ譲与されます。

2.創設の経緯

森林には、国土の保全、水源の維持、地球温暖化の防止、生物多様性の保全などの様々な機能があり、私たちの生活に恩恵をもたらしています。しかし、林業の担い手不足や、所有者や境界の不明な土地により、経営管理や整備に支障をきたしています。森林の機能を十分に発揮させるため、各地方団体による間伐などの適切な森林整備が課題となっています。

このような現状に加え、パリ協定の枠組みにおける目標達成に必要な地方財源を安定的に確保する必要が生まれ、森林環境税及び森林環境譲与税が創設されました。なお、森林整備が緊急の課題であることを踏まえ、森林環境譲与税は、令和元年度から前倒しで譲与することとしています。

3使い道

森林環境譲与税は、市町村においては、「森林整備及びその促進に関する費用」に、また、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てることとされています。都道府県・市町村は、インターネットなどを利用してその使い道を公表しなければなりません。

(文責:税理士法人FP総合研究所)