【No472】法人税の中間申告について

普通法人は、前年度の法人税額が一定金額を超える場合には、「中間申告」として、当該事業年度の法人税の一部を予め申告して、納税をします。中間申告には「前年度実績に基づく中間申告」と「仮決算に基づく中間申告」があります。

1.法人税の中間申告の概要

事業年度が6か月を超える普通法人は、原則として事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内に中間申告書を提出する必要があります。普通法人に該当しない公益法人などには中間申告制度の適用はありません。

中間申告には、「前年度実績に基づく中間申告」と「仮決算に基づく中間申告」がありますが、中間申告期限内に、仮決算に基づく中間申告書を提出しなっかた場合には、予定申告が行われたものとみなされます。したがって、納付がされない場合には、不納付加算税や延滞税が発生しますので、注意が必要です。

2.前年度実績に基づく中間申告(=予定申告

前年度実績に基づく予定申告は、次の算式により計算した金額を中間分の税額として申告することになります。

   【 前事業年度の法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 当期の中間期間の月数 】

※前事業年度の月数が6か月以下の場合には、中間申告書の提出の必要はありません。

※上記の算式により計算した金額が10万円以下の場合には、中間申告書の提出の必要はありません。

3.仮決算に基づく中間申告

仮決算に基づく中間申告は、事業年度開始の日から6か月の期間を1事業年度とみなして、仮決算を行い提出期限までに中間申告をすることになります。

※上記2の算式により計算した法人税額を超える場合は、仮決算に基づく中間申告は提出できません。

※仮決算をした結果、赤字となった場合でも、中間納税額0円で申告する必要があります。

なお仮決算に基づく中間申告は、事業年度開始の日から6か月の期間を1事業年度と見做して決算を行うため、中間申告時には貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、勘定科目内訳明細書などを添付して提出する必要があり、通常の決算と同じ作業が必要となります。

しかしながら、前期の業績が良く多額の法人税を納税したものの、今期の業績が振るわずに予定申告による納税(前事業年度の法人税額の2分の1)のための資金繰りが困難な場合には、仮決算を行うことで納税の負担を軽減することができます。

4.予定(中間)申告書用紙の送付について

国税庁では、前事業年度の法人税の確定申告書をe-Taxにより提出された法人に対して、行政経費の削減に努めるため、法人税の予定申告書用紙を送付しないこととなっていますので、注意が必要となります。

(文責:税理士法人FP総合研究所)