【No412】令和5年度 税制改正大綱 ~ 中小企業技術基盤強化研究開発税制の見直し
中小企業技術基盤強化研究開発税制について見直しの上、適用期限が令和7年度末まで3年延長されます。
1.中小企業技術基盤強化税制の概要
青色申告中小企業者等が試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額から控除することができる制度です。この制度は、一般型の試験研究費の税額控除制度との重複適用はできません。
なお、税額控除の対象となる中小企業者等とは以下の法人をいいます。
・資本金又は出資金の額が1億円以下の法人(ただし大規模法人の一定の子会社は除かれます)
・資本金又は出資金をもたない法人のうちで、常時使用する従業員が1,000人以下の法人
・農業協同組合
2.改正内容
(1)税額控除率の見直し
<用語の確認>
〇 中小企業者等から除かれる大規模法人の一定の子会社とは以下の法人
① 大規模法人に発行済み株式または出資総数・総額の1/2以上を所有されている法人
② 2以上の大規模法人に発行済み株式または出資総数・総額の2/3以上を所有されている法人
〇 大規模法人とは、資本金もしくは出資金額が1億円超の法人、資本もしくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員が1,000人超の法人
〇 増減試験研究費割合=(試験研究費-比較試験研究費)÷比較試験研究費
〇 比較試験研究費=過去3年間の試験研究費の平均
※適用年度及び比較年度の試験研究費の範囲、試験研究費を計算する場合の共通経費の配賦基準等については、継続して同一の方法によることに留意する必要があります。
〇 試験研究費割合=試験研究費÷平均売上金額
〇 平均売上金額=当期と過去3年間の売上高の平均
(2)控除上限額の見直し
〇 基準年度比売上金額減少割合とは、当期の売上金額が令和2年2月1日前に最後に終了した事業年度の売上に満たない場合のその満たない部分の金額のその最後に終了した事業年度の売上金額に対する割合をいいます。
〇 基準年度試験研究費とは、令和2年2月1日前に最後に終了した事業年度の試験研究費の額をいいます。
<中小企業技術基盤強化税制のイメージ>
*大綱段階であり、最終的には2月上旬頃に発表される法案をもとに国会を通過して初めて法律となります。例年では税制改正大綱どおりの法案となります。現段階が確定ではありませんので、今後の情報にご注意ください。
(出典:経済産業省)
(文責:税理士法人FP総合研究所)