【No353】年末調整業務の電子化と従業員のマイナポータル連携について

 年末調整の書類をデータで作成する場合には、「マイナポータル連携」が便利になっています。その設定の仕方を見ていきましょう。

マイナポータル連携のイメージ

 マイナポータル連携とは、従業員が年末調整申告書データの作成中に保険料控除等で使用する控除証明書等データを、マイナポータルから自動取得する機能のことです。

マイナポータル連携で取得できる情報

 法令上、マイナポータルから取得できる情報は、以下のとおりです。

・保険料控除証明書

・年末残高等証明書

・住宅ローン控除証明書

 ※ご契約の保険会社、銀行等がマイナポータル連携に対応している必要があります。

 マイナポータル連携に対応している保険会社等は、国税庁ホームページで公表されています。

マイナポータル連携のための準備

用意するもの

1.マイナンバーカード

 マイナンバーカードの取得方法については、「マイナンバーカード総合サイト」からご確認ください。

 ※生計を一にする親族が契約者となっている保険料控除証明書等についてマイナポータル連携で取得するためには、その親族のマイナンバーカードも必要となります。

2.ICカードリーダライタ等

 マイナンバーカードを読み取るため、ICカードリーダライタ、又はマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン(公的個人認証サービスポータルサイトにて確認)が必要となります。

3.加入している生命保険の証券番号など

 控除を受けようとする生命保険の証券番号や、住宅ローンの契約番号などを用意します。

手順1 マイナポータル及び民間送達サービスの開設

1.マイナポータルの開設

 「マイナポータルサービストップ」にアクセスし、案内に従ってマイナポータルの利用者登録をします。

 ※生計を一にする親族が契約者となっている保険料控除証明書等についてマイナポータル連携で取得するためには、当該親族についても利用者登録を行い、マイナポータル上で代理権を設定してください。

2.民間送達サービスの開設

 「マイナポータル」開設後「もっとつながる」メニューから民間送達サービスを開設します。

手順2 保険会社等と民間送達サービスの連携設定

1.保険会社等の「マイナ手続きポータル」に接続

 以下のいずれかの方法で入ることができます。

①保険会社等のいわゆる「お客様ページ」からアクセス

➁控除証明書の(再)発行の申し込みページ等からアクセス

2.マイナンバーカードの読み取り

 メールアドレス等の登録後、マイナンバーカードをセットし、4桁の暗証番号を入力します。

 ここではマイナンバーカードに格納された電子証明書を登録するだけですので、保険会社等にマイナンバーカードを提供するわけではありません。

3.証券番号等の登録

 画面の案内に従い、暗証番号等などの契約情報を入力します。

4.e-私書箱連携

①.利用者登録完了メールに記載されたURLにアクセスし、「ログイン」をクリック

➁.マイナンバーカード読取

③.e-私書箱へのログイン

・e-私書箱連携を行いますか?のポップアップウィンドウで「はい」をクリック

・電子ポスト画面で「e-私書箱につなぐ」をクリック

・e-私書箱ログイン画面で「すでにアカウントをお持ちの方はこちら」をクリックし、ログイン方法選択画面からログイン

④.「企業連携同意」にチェックを入れて、「連携」をクリックし、次に表示される画面で連携済サービスとなっていることを確認します。

以上で「マイナポータル連携」の準備は完了となります。

出典:国税庁「年末調整手続の電子化について」

(文責:税理士法人FP総合研究所)