【No352】年末調整業務の電子化と従業員の事前準備について
年末調整業務の電子化とは、これまで手書き等で作成していた年末調整書類について、パソコンやスマホで作成し、印刷せずデータのまま給与担当者に提出するものです。従業員がマイナンバーカードを取得する期間や、民間送達サービスの開設のために要する期間を考慮すると、年末調整手続電子化の初年度においては、年末調整の時期のおおむね2か月前には周知して頂いたほうが良いと考えられていますのではやめの準備をしていきましょう。
年末調整手続が電子化された場合は、次のような手順となります。
- 従業員が、保管会社等から控除証明書等を電子データで受領
- 従業員が、国税庁ホームページ等からダウンロードした年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(※)に、住所・氏名等の基礎項目を入力し、1で受領した電子データをインポート(自動入力、控除額の自動計算)して年末調整申告書の電子データを作成
- 従業員が、2の年末調整申告書データ及び1の控除証明書等データを勤務先に提供
- 勤務先が、3で提供された電子データを給与システム等にインポートして年税額を計算
※年末調整控除申告書作成用ソフトウウェア(年調ソフト)とは、年末調整申告書について、従業員が控除証明書等データを活用して簡便に作成し、勤務先に提出する電子データ又は書面を作成する機能を持つ、国税庁が無償で提供するソフトウェアです。
控除証明書等のデータ取得について
これまで保険会社等からハガキ等で受け取っていた控除証明書をデータで取得します。
マイナポータル連携のためには、マイナンバーカードの取得、ICカードリーダライタ(又はマイナンバーカード読取対応スマートフォン)の用意のほか、マイナポータルを開設していること等が必要になります。また、保険会社等とマイナポータルを連携させる作業も必要となります。
全ての金融機関や保険会社が控除証明書の電子発行に対応しているわけではありませんので、ご契約の会社等のウェブサイトで確認をお願いします。
従業員のマイナポータルの連携の事前準備について
・マイナポータルとは
マイナポータルは、政府が運営するオンラインサービスです。子育てや介護をはじめとする、業務手続の検索やオンライン申請がワンストップでできたり、行政機関からのお知らせを受け取れたりする、自分専用のサイトです。
・マイナポータルでできること
マイナポータルにログインすることで様々なサービスを利用できます。年末調整業務には保険料控除証明書、年末残高等証明書、住宅ローン控除証明書などの電子データが取得できます。
・マイナポータルを利用するには
マイナポータルでアカウント開設(利用者登録)を行いログインするためには、利用者証明用電子証明書をICチップに搭載したマイナンバーカードが必要です。また、パソコンとマイナンバーカード読取対応のICカードリーダー、もしくはマイナンバーカード読取対応(NFC対応)のスマートフォンが必要です。
使用する前に、パソコン及びスマートフォンに、ログイン用アプリ「マイナポータルAP」のインストールを行ってください。
出典:国税庁「年末調整手続の電子化について」、「内閣府HP」
(文責:税理士法人FP総合研究所)