【特別編】新型コロナウィルス感染症緊急経済対策 ~税制面からの支援について~その6

給付金等の支援:概要

1.持続化給付金

新型コロナウィルス感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧となる、事業全般に広く使える給付金の支給を目的としている制度

2.生産性革命推進事業

元来の生産性革命推進事業制度に対して、新型コロナウィルス感染症の影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者を対象に、補助率や補助上限を引き上げた「特別枠(令和二年度補正予算700億円)」を設け、優先的に支援する制度

①ものづくり補助金

②持続化補助金

③IT導入補助金

3.住宅確保給付金

本来、離職等により経済的に困窮し、住居を失った又はそのおそれがある者に対して、住居確保のための給付金を支給し、安定した住居の確保と就労自立を図る制度

4.個人向け緊急小口資金等の特例

非正規の方や個人事業主の方を含めて生活に困窮された方のセーフティネットを強化するための小口資金の貸付制度

持続化給付金

新型コロナウィルス感染症対策の1つとして、当該感染症拡大により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えするために、事業全般に広く使える給付金です。

内容
対象者 個人(事業者)

法人(下記に該当する法人)

①資本金の額又は出資の総額が10憶円未満

又は

②①の定めがない場合、常時使用する従業員の数が2,000人以下

給付額

100万円

※昨年1年間の売上からの減少分を上限

200万円

※昨年1年間の売上からの減少分を上限

要件

①新型コロナウィルス感染症の影響により、ある1月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者

②2019年以前から事業による売り上げを得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者

※医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人などを含みます(宗教法人は除かれます)。

計算方法

前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上.12ヶ月)

 

FAQ

Q:個人で副業を行っていますが、対象となりますか?

A:確定申告において、事業所得として収入を得ている場合には対象となります。

Q:計算方法における売上とはどこで判断しますか?

A:個人の場合には、事業収入となります(不動産収入、給与、雑所得に該当するものは含まれません)。また、法人の場合には法人全体の売上となります(部門別や事業所ごとの判定とはなりません)。

Q:持続化給付金は課税の対象となりますか?

A:税務上は、個人の場合には収入金額、法人の場合には益金として算入されます。

生産性革命推進事業その①

新型コロナウィルス感染症の影響を受けた事業者への特例措置

①特別枠での優遇

新型コロナウィルス感染症の影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者について、支援内容を拡充し優先的に採択します。

【申請要件】補助対象経費の1/6以上が、以下の要件に合致する投資であること

A:サプライチェーンの毀損への対応

顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと

例)部品調達っ困難による部品内製化、出荷先営業停止に伴う顧客開拓

B:非対面型ビジネスモデルへの転換

非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換すための設備・システム投資を行うこと

例)店舗販売からEC(電子商取引)販売へのシフト、VR・オンラインによるサービス提供

C:テレワーク環境の整備

従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること

例)Web会議システム、PC等を含むシンクライアントシステムの導入

②申請要件緩和

ものづくり・商業・サービス補助にいおいて、生産性向上や賃上げに係る目標値の達成時期を1年間猶予します。

③遡及適用

ものづくり・商業・サービス補助において、交付決定日前に発注した事業に要する経費についても対象とします。

生産性革命推進事業その②

1.ものづくり・商業・サービス補助金

新製品・サービス開発や生産プロセス改善等のための設備投資等を支援。

内容
対象者 中小企業・小規模事業者
補助上限 1,000万円
補助率

中小企業=1/2、小規模事業者=2/3

※新型コロナウィルス感染症特別枠は一律2/3

策定事業計画

①付加価値額:+3%以上/年

②給与支給総額:+1.5%以上/年

③事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円

※①~③の要件を満たす事業計画(3~5年)を策定・実施

※新型コロナウイルス感染症の影響を受け、サプライチェーンの毀損等に対応するための設備投資等を行う事業者については、要件①~③に係る目標値の達成時期を1年間猶予します。

また、補助金事務局から事前に承認を受けた場合は、交付決定日前に発注した事業に要する経費も補助対象とします。

※中小企業事業主とは、以下のAまたはBの要件を満たす企業となります。小規模事業者とは、以下のCの要件に該当する企業となります。

業種

A:資本または出資額

B:常時使用する従業員

C:常時使用する従業員

小売業(飲食店を含む)

5,000万円以下

50人以下

5人以下

サービス業

5,000万円以下

100人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

その他の業種

3億円以下

300人以下

20人以下

生産性革命推進事業その③

2.持続化補助金

小規模事業者が経営計画を策定して取り組む販路開拓等の取組を支援。

内容
対象者 小規模事業者
補助上限 50万円※新型コロナウィルス感染症特別枠は100万円
補助対象

店舗の改装、ホームページの作成・改良、チラシ・カタログの作成、広告掲載など

例)ブランド力の向上、商品の宣伝、HPの開設など

策定事業計画

事業計画期間において

①給与支給総額:+1.5%以上/年

②事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円

※①と②の要件を満たす事業計画(3~5年)を策定・実施

※新型コロナウイルス感染症による経営上の影響を受けながらも販路開拓等に取り組む事業者に対して、加点措置が講じられます。

生産性革命推進事業その④

3.IT導入補助金

ITツール導入による業務効率化など、バックオフィス業務の効率化や新たな顧客獲得など付加価値向上につながるITツールの導入を支援。

内容
対象者 小規模事業者
補助上限

30万円~450万円

補助率

1/2※新型コロナウィルス感染症特別枠は2/3

補助対象経費

ソフトウェア、クラウド利用費、専門家経費等

※特別枠については、ハードウェア(PC・タブレット端末等)のレンタルも対象

策定事業計画

事業計画期間において

①給与支給総額:+1.5%以上/年

②事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円

※①と②の要件を満たす事業計画(3~5年)を策定・実施

新型コロナウイルス感染症による経営上の影響を受けながらも販路開拓等に取り組む事業者に対して、加点措置が講じられます。

住居確保給付金

離職等により経済的に困窮し、住居を失った又はそのおそれがある者に対し、住居確保給付金を支給することにより、安定した住居の確保と就労自立を図ることを目的としています。

内容
対象者

・申請日において、離職等後2年以内の者

・離職等の前に世帯の生計を主として維持していたこと

・ハローワークに求職の申し込みをしていること

・国の雇用施策による給付等を受けていないこと

令和2年4月20日以降、対象者の要件が緩和されます。

●給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある者

支給要件

①収入要件

申請月の世帯収入合計額が、基準額(市町村民税均等割が非課税となる収入額の1/12)+家賃額以下がであること。※家賃は、住宅扶助特別基準額が上限。

目安:東京都特別区の場合=単身世帯:13.8万円、2人世帯:19.4万円、3人世帯:24.1万円

②資産要件

申請時の世帯の預貯金合計額が、基準額.6(上限100万円)以下であること。

目安:東京都特別区の場合=単身世帯:50.4万円、2人世帯:78万円、3人世帯:100万円

③就職活動要件

ハローワークでの月2回以上の職業相談、自治体での月4回以上の面接支援等

支給額

賃貸住宅の家賃額(上限額は住宅扶助特別基準額)

目安:東京都特別区の場合=単身世帯:53,700円、2人世帯:64,000円、3人世帯:69,800円

支給期間

原則3ヶ月間(就職活動を誠実に行っている場合には3ヶ月延長可能。ただし、最長9ヶ月まで

相談の流れ

申請者(賃借人)が生活困窮者自立相談支援機関(注)に相談・申請を行い、当該機関が各自治体へ申請することにより決定されます。

なお、支給額は賃貸住宅の賃貸人又は不動産媒介事業者等へ直接支払われることとなります。

(注)住宅、仕事生活などの相談窓口、自治体が直営又は委託(社会福祉法人、NPO等)で運営されている。全国905福祉事務所設置自治体で1,317箇所の設置。

個人向け緊急小口資金等の特例

新型コロナウィルスによる影響による休業等を理由に、一時的に資金が必要な方へ緊急の貸付を実施。また、万が一、失業されて生活に困窮された方には、生活の立て直しのための安定的な資金を貸付けします。

3月25日より申請受付開始されています(問い合わせ窓口は居住地の社会福祉協議会)。

◆緊急小口資金:一時的な資金が必要な方(主に休業された方)が対象。

内容
対象者

新型コロナウィルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生活維持のための貸付を必要とする世帯

貸付上限

・学校等の休業、個人事業主等の特例の場合、200,000円

・その他の場合、100,000円以内

据置期間 1年以内
償還期限 2年以内
貸付利子 無利子

◆総合支援資金(生活支援費):生活の立て直しが必要な方(主に失業された方)が対象。

内容
対象者

新型コロナウィルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難になっている世帯

貸付上限

・単身世帯:150,000円以内/月

・2人以上世帯:200,000円以内/月

※貸付期間は原則3月以内

据置期間 1年以内
償還期限 10年以内
貸付利子 無利子

※総合支援金(生活支援費)については、原則、自立相談支援事業等による継続的な支援を受けることが要件です。

※償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができることとし、生活に困窮された方の生活にきめ細かには配慮します。