【No964】令和6年分の路線価が公表されました

 令和6年7月1日に国税庁より令和6年分の路線価が公表されました。各地区の路線価の詳細等は、国税庁のホームページで閲覧することができます。現在のホームページでは、平成30年分から令和6年分までの路線価を確認することができます。

(国税庁の路線価の掲載ページ:https://www.rosenka.nta.go.jp/

1.路線価とは

路線価とは、土地の価格が概ね同一と認められる一連の土地が面している路線ごとに評価した1㎡当たりの価額をいいます。相続税や贈与税の申告のための財産評価を行う際の便宜及び課税の公平を図る観点から、毎年国税庁から公表されています。

毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として算定した価格の80%を目途に評価されます。

2.令和6年分の路線価の動向

路線価の全国平均は前年比で2.3%上昇し、3年連続の上昇となり、2010年以降で最も大きな上昇となりました。好調なインバウンド需要や全国的な再開発などが路線価を押し上げる要因となっているようです。

令和6年分の都道府県庁所在都市の最高路線価では、前年と比較して上昇した都市は37都市(前年29都市)で、上昇率も高い傾向になります。また、下落した都市は1都市(前年4都市)で、全国的に上昇傾向であることがうかがえます。近畿圏においても、大津・京都・大阪・神戸・奈良が2年連続の上昇となっており、京都・大阪・神戸・奈良は上昇率も高くなっています。

なお、都道府県庁所在都市の最高路線価が全国で最も高かった都市は、今年も東京都中央区銀座の鳩居堂前で前年を3.6%上回り、2年連続の上昇となりました。

なお、令和6年能登半島地震による災害を受けた地域については、路線価に調整率を乗じて計算する措置が設けられています。

【令和6年分 都道府県庁所在都市の最高路線価(一部抜粋)】

3.今後の動向について

新型コロナウイルス感染症が5類に分類されたことやインバウンド需要により経済活動が正常化し、基本的には路線価の上昇傾向が続くと考えられます。ただし、今後、金利の上昇や建築資材・人件費の上昇により住宅価格がさらに上昇する場合には、経済活動に影響を与え、路線価にも影響する可能性も考えらえます。

(文責:税理士法人FP総合研究所)