【No955】準確定申告書を提出する場合の定額減税について

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分の所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。この定額減税に関する事項のうち、準確定申告に関するものをご紹介します。

【1】定額減税(所得税)の概要について

(1)対象者

令和6年分の所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの者の場合、給与収入が2,000万円以下(注))である者

(注)こども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける者については、2,015万円以下

(2)特別控除額(居住者に限る)

①本人               ・・・      30,000円

②同一生計配偶者、または、扶養親族 ・・・ 1人につき30,000円

【2】令和6年6月1日以後に準確定申告書を提出する場合の定額減税

令和6年6月1日以後に、令和6年分の準確定申告書(注)を提出する場合には、その準確定申告の際に、定額減税の適用を受けます。

この場合において、令和6年の間は令和5年分の確定申告書の様式を使用することになるため、定額減税額の記載については、次のように行います。

(注)「年の中途で死亡した場合の確定申告」又は「年の中途で出国をする場合の確定申告」により提出される確定申告書をいいます。

【 書面の場合 】

申告書第一表の「災害減免額」欄の項目名を抹消し、当該項目名の欄の余白に「令和6年分特別税額控除額」と記載した上で、同欄の金額欄に定額減税額を記載します。

この場合、当該欄の下欄の「再差引所得税額(基準所得税額)」欄は、「差引所得税額」欄に記載した金額から、定額減税額を差し引いた残額(0円以下の場合には、0円)を記載することになります。

(注)災害減免額の記載が必要な方については、「災害減免額」欄の項目名を抹消することなく、当該項目名の下に「令和6年分特別税額控除額」と記載した上で、同欄の金額欄を二段書きとし、その上部に災害減免額を、下部に定額減税額を記載してください。

【 e-Tax ソフトの場合 】

申告書第一表の「災害減免額」欄に定額減税額を入力します。

なお、災害減免額も入力する必要がある場合は、定額減税額と災害減免額を合わせた金額を入力します。

また、申告書等送信票(兼送付書)の「特記事項」欄に「令和6年分特別税額控除額●●●円」(災害減免額もある場合は、「災害減免額●●●円、令和6年分特別税額控除額●●●円」)と入力します。

【3】令和6年5月31日以前に準確定申告書を提出する場合の定額減税

定額減税については、令和6年6月1日以後に提出する令和6年分の確定申告書について適用することとされているため、令和6年5月31日以前に準確定申告書を提出する場合には適用されません。

令和6年5月31日以前に準確定申告書を提出した場合には、令和6年6月1日から令和11年6月1日(月)までに更正の請求を行うことにより、定額減税の適用を受けることができます。

この場合の更正の請求書について、令和5年分の様式を使用する場合には、上記【2】の記載方法に準じて記載します。

なお、既に提出した準確定申告書に係る法定申告期限が到来しない場合には、その準確定申告書に係る法定申告期限内に訂正申告書を提出することにより定額減税の適用を受けることができます。

(文責:税理士法人FP総合研究所)