【No950】令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて
令和6年1月4日、国税庁は令和7年1月から申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないことを発表しました。今回はその内容について紹介します。
1.概要
国税庁においては、納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指し、申告手続等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX))を進めているところです。
令和4年度のe-Tax利用率は、所得税申告で65.7%、法人税申告で91.1%と向上しており、今後もe-Taxの利用拡大が更に見込まれることや、DXの取組の進捗も踏まえ、国税に関する手続等の見直しの一環として、令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないこととされました。
2.令和7年1月以降の申告書等の書面での提出方法
申告書等の提出(送付)の際は、提出用の申告書等のみを提出(送付)することになりますので、必要に応じて、ご自身で控えの作成及び保有、提出年月日の記録・管理が必要になります。
なお、対象となる申告書等とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類のほか、納税者の方が、他の法律の規定により、若しくは法律の規定によらずに国税庁、国税局、税務署に提出されるすべての文書をいいます。
3.書面で申告した場合の提出事実及び提出年月日の確認方法について
(1)申告書等情報取得サービス(オンライン請求のみ)
所得税の確定申告書、青色申告決算書及び収支内訳書(令和2年以降の直近3年分のみ)について、書面により提出している場合であっても、パソコン・スマートフォンからe-Taxを利用してPDFファイルを無料で取得することができます。利用にあたっては、マイナンバーカードが必要です。なお、被相続人の確定申告書等を確認したい場合、相続人は利用することができませんので、他の方法で確認する必要があります。
《e-Taxホームページ》
https://www.e-tax.nta.go.jp/shutoku-service/index.htm
(2)保有個人情報の開示請求
税務署が保有する個人情報に対する開示請求により、提出した申告書等の内容を確認することができます(写しの交付の場合は1か月程度かかります)。手数料は300円(オンライン申請の場合は200円)で、法人の申告書等には利用できません。なお、被相続人の申告書等を確認したい場合、相続人は利用することができませんので、他の方法で確認する必要があります。
《国税庁ホームページ》
https://www.nta.go.jp/anout/disclosure/tetsuzuki-kojinjoho/03.htm
(3)税務署での申告書等の閲覧サービス
過去に提出した申告書等を確認して適正な申告書等の作成を行う場合に、提出済みの申告書等を閲覧できるサービスです。なお、被相続人の申告書等について相続人が閲覧サービスを利用する場合は、相続人全員で来署する必要があり、来署できない相続人がいる場合や代理人が来署する場合、来署できない相続人全員の委任状と印鑑登録証明書(1か月以内のもの)が必要になります。どなたが来署する場合でも、法定相続情報や戸籍謄本の相続関係が分かる書類も必要になります。
《閲覧サービスの対象となる申告書等》
所得税及び復興特別所得税申告書、法人税及び地方法人税申告書、復興特別法人税申告書、消費税及び地方消費税申告書、相続税申告書、贈与税申告書、酒税納税申告書、間接諸税の申告書、各種申請書、届出書、請求書、報告書等及び納税者がこれらの申告書等に添付して提出された書類(例えば、青色申告決算書や収支内訳書などをいい、所得税及び復興特別所得税申告書に添付された医療費の領収書等を除きます。)
《国税庁ホームページ(下部に概要及び申請書のPDFがあります。)》
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/sonota/050301/01.htm
(4)納税証明書の交付請求
納税証明書の交付請求を行うことにより、確定申告書等を提出した場合の納税額、所得金額又は未納の税額がないことの証明書を取得することができます。手数料は、税目ごと1年度1枚につき400円(オンライン申請の場合は370円)です。納税額等の確認になるため、申告書等を確認することはできません。なお、被相続人の納税証明書を取得したい場合は、相続人全員からの請求が必要になり、法定相続情報や戸籍謄本の相続関係が分かる書類も必要になります。
《対象となる税目》
所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税など
《国税庁ホームページ》
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nozei-shomei/01.htm
(文責:税理士法人FP総合研究所)