【No929】法定外税について
地方自治体は、地方税法に定められており全国一律で課税される地方税(「法定税」といいます)とは別に、条例により地方自治体独自の税目を新設することができます(「法定外税」といいます)。法定外税のうち、特に使途を特定せずに徴収される地方税を法定外普通税といい、あらかじめ使途が特定されて徴収される地方税を法定外目的税といいます。総務省のホームページにて公表されている令和3年度の決算額(令和5年4月1日時点)では634億円(地方税収額にしめる割合は0.15%で、法定外普通税が500億円、法定外目的税が133億円)となっています。
いずれも総務大臣の許可が必要になるなど一定の要件がありますが、普段あまり目にすることがないものもありますので、今回ご紹介します。
1.法定外普通税(令和5年4月1日現在、条例未施行又は条例失効のものは除く)
総務省で公表されている法定外普通税は下記のとおりです。
2.法定外目的税(令和5年4月1日現在、条例未施行又は条例失効のものは除く)
総務省で公表されている法定外目的税は下記のとおりです。
3.今後の流れ
各地方自治体が独自に法定外税として新税を検討する背景には、各地方自治体の財政難があげられます。人口流出が多い京都市では、空き家や別荘、セカンドハウスなどの居住者いない住宅(非居住住宅)の存在が、京都市に居住を希望する人への住宅供給を妨げる等として、「(仮称)非居住住宅利活用促進税」を検討、総務省の認可を受け、令和8年以降に課税を予定しています。
各地方自治体の既存の税収の増額を検討した方がいいようにも思いますが、税収が増額となると、国から交付を受ける地方交付税が減額することになります。そのため、各地方自治体独自に課税を行い税収がそのままその地方自治体に入るような取組みを検討するところが増加しており、今後もその流れは続くものと予想されます。
(文責:税理士法人FP総合研究所)