【No913】相続土地国庫帰属制度の申請者と申請方法について
令和5年4月27日より施行されている「相続土地国家帰属制度」について、資産税FP News №911にてその概要をご紹介しました。今回は相続土地国家帰属制度の利用できる人とその申請方法について解説します。
1.申請ができる人
相続土地国庫帰属制度を利用することができる人は、以下のとおりです。
(1)相続又は相続人に対する遺贈によって土地を取得した人
相続等以外の原因(売買など)により自ら土地を取得した人や、相続等により土地を取得することができない法人は、基本的にこの制度を利用することができません。
(出典:法務省HPより)
(2)相続等により土地の共有持分を取得した共有者
相続等により、土地の共有持分を取得した共有者は、共有者の全員が共同して申請を行うことによって、この制度を活用することができます。土地の共有持分を相続等以外の原因により取得した共有者(例:売買により共有持分を取得した共有者)がいる場合であっても、相続等により共有持分を取得した共有者がいるときは、共有者の全員が共同して申請を行うことによって、この制度を活用することができます。
(出典:法務省HPより)
2.申請書の添付書類
申請にあたっては、申請書に次の添付書類が必要となります。
(1)すべての申請者が添付しなければならない書類
①承認申請に係る土地の位置及び範囲を明らかにする図面
②承認申請に係る土地と当該土地に隣接する土地との境界点を明らかにする写真
③承認申請に係る土地の形状を明らかにする写真
④申請者の印鑑証明書
(2)遺贈によって土地を取得した相続人が添付しなければならない書類
・相続人が遺贈を受けたことを証する書面
具体例としては、①遺言書、②亡くなった方の出生から死亡までの戸籍全部事項証明書、除籍謄本又は改製原戸籍謄本、③亡くなった方の除かれた住民票又は戸籍の附票、④相続人の戸籍一部事項証明書、⑤相続人の住民票又は戸籍の附票、⑥相続人全員の印鑑証明書
(3)承認申請者と所有権登記名義人が異なる場合に添付しなければならない書類
・土地の所有権登記名義人(あるいは表題部所有者)から相続又は一般承継があったことを証する書面
具体例としては、①亡くなった方の出生から死亡までの戸籍全部事項証明書、除籍謄本又は改製原戸籍謄本、②亡くなった方の除かれた住民票又は戸籍の附票、③相続人の戸籍一部事項証明書、④相続人の住民票又は戸籍の附票、⑤遺産分割協議書
(4)任意で添付する書類
①固定資産評価証明書(土地の使用状況(種目)を確認する際に参考とするため)
②承認申請土地の境界等に関する資料(境界確認書や過去に作成された図面等、所有権の範囲を判断するために資する資料など)
(文責:税理士法人FP総合研究所)