【No877】スマートフォン等による確定申告とスマホアプリ納付について

 No873でもご紹介したように、政府の方針としてオンライン(e-Tax)の利用を推進しています。そこで、今回は令和3年分にかかる確定申告の申告状況におけるe-Taxの利用状況と12月1日から利用開始が予定されているスマホアプリ納付についてご説明します。

1.令和3年分にかかる確定申告の申告状況について

 国税庁が発表する「令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」より、e-Taxやスマホ申告等の件数の推移は下記のとおりです。いずれも、新型コロナウイルス感染症の影響からe-Taxの利用がより進んでいることがわかります。

・確定申告会場での申告や税理士への依頼をせずに、ご自身でご自宅から国税庁の確定申告書等作成コーナーの利用や会計ソフトからe-Taxで申告書を提出した人は442万人で、令和2年分と比較して約1.4倍に増加しています。

・自宅からスマートフォンを利用してe-Taxで申告書を提出した人は153万人で、令和2年分と比較して約1.5倍に増加しています。うち、マイナンバーカードを利用しスマートフォンから申告した人は85万人で、令和2年分と比較して約2倍に増加しています。

・自宅からe-Taxで申告書を提出した人のうち、マイナンバーカード方式で送信した人は239万人で、令和2年分と比較して約1.8倍に増加しています。

2.スマホアプリ納付について

(1)概要

 スマホアプリ納付とは、国税庁長官が指定した納付受託者(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)が運営するスマートフォン決済専用のWebサイト(国税スマートフォン決済専用サイト)から、納税者が利用可能なPay払い(〇〇ペイ)を選択してすべての税目について納付できる手続きのことです。なお、国税スマートフォン決済専用サイトは、国税庁長官が指定した納付受託者が運営する国税のスマホアプリ納付専用の外部サイトのことです。

(2)利用開始予定日

 令和4年12月1日(木)から利用可能となる予定です。

(3)利用可能なPay払い

 PayPay、d払い、auPAY、LINEPay、メルカリPay、amazon pay

(4)納付手続

 ①事前準備 納付する税目や金額がわかる資料(確定申告書等)と、利用するスマートフォン

 ②専用サイトへアクセス

 インターネットの利用が可能なスマートフォンから、納付受託者が運営する国税スマートフォン決済専用サイトへアクセスします。アクセス方法としては、e-Tax又は国税庁ホームページからの2つの方法があります。

 ・e-Tax:e-Taxを利用して申告書・源泉所得税徴収高計算書データの送信又は納付情報登録依頼をした後、メッセージボックスに格納される受信通知からアクセスします。

 ・国税庁ホームページ:国税庁ホームページに表示されている国税スマートフォン決済専用サイトからアクセスします。

 ③専用サイトで納付情報を入力

 詳細な手続きについては、令和4年12月1日(木)に国税庁のホームページにて掲載予定です。

(5)メリット・デメリット

 ①メリット

 ・クレジットカードでの納付ですと決済手数料がかかりますが、Pay払いの場合には手数料を国が負担するためかかりません。

 ・コンビニ払いなら決済手数料はかからないものの、納付用のQRコードを印刷する必要がありますが、Pay払いの場合には不要で、24時間いつでも時間や場所を選ばずに納付が可能です。

 ②デメリット

 ・決済上限額が30万円(Pay払いで利用上限を設定している場合はその上限額)となります。

 ・Pay払いそれぞれのアカウント残高から納付することとなるため、残高の準備が必要となります。

 ・領収証の発行はできません。

 ・Pay払いによってはポイントが付与されるものとそうでないものがあります。

(文責:税理士法人FP総合研究所)