【No786】「契約時期」による住宅ローン控除の取扱いの違いについて
令和3年度税制改正により、住宅ローン控除の控除期間13年間の特例が延長されましたが、契約時期により、入居する期間等の適用要件が異なるため、注意が必要です。
(1)住宅ローン控除の概要
個人が住宅ローンにより住宅を購入・新築等した場合には、所得税が減額され、控除不足額(所得税から減額しきれない金額)があるときには、一定額を限度として住民税から減額されます。減額される所得税額は入居した年によって異なります。
【控除額】
住宅借入金等の年末残高×控除率=住宅ローン控除額(住宅ローン控除前の所得税の額が限度)
住宅借入金等の年末残高×控除率=住宅ローン控除額(住宅ローン控除前の所得税の額が限度)
入居した年により控除対象となる住宅借入金等の控除額・控除率が異なります。
(注)住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等の税率が8%又は10%である場合に適用されます。
個人間売買で消費税が課税されない場合は、平成26年1月~3月と同額となります。
※一定の認定住宅については、上記の表のカッコ書内のものを適用します。
(2)契約時期による入居する期間等の違い
上記のとおり、居住用家屋の新築に係る契約を令和2年9月30日(分譲住宅の取得等の場合は令和2年11月30日)までにした場合には、令和3年12月31日までに入居しなければ控除期間が13年間とならないため、注意が必要です。
(注)住宅ローン控除は、住宅の取得等から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで引き続き居住していることが適用要件となります。
(3)住宅ローン控除の今後の動向
令和3年度税制改正大綱において、現在の控除率(借入金残高の1%)が昨今の銀行貸し出し金利と比較すると優遇されているとの会計検査院の指摘もあるため、控除額や控除率の見直しを令和4年度税制改正において見直すとされているため、今後の動向に注意が必要です。
(文責:税理士法人FP総合研究所)