【No785】令和2年分の所得税等の申告状況とICTを利用した所得税等申告書の提出状況について
国税庁より令和2年分の申告状況について報道発表がありました。今回は所得税等の申告状況とICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))を利用した所得税等の確定申告書の提出状況についてご説明します。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から令和元年分及び令和2年分の所得税等は申告・納付期限が延長されたため、以下に表記する各計数については、令和元年分及び令和2年分共に翌年4月末日までに提出された申告書の情報となっています。
1.所得税等の申告状況
所得税等の申告書を提出した人は2,249万人で、前年分から2.1%増加しました。そのうち、申告納税額のある人は657万人で前年分から4.3%増加し、申告納税額は3兆1,653億円で前年分から1.6%減少しました。
<確定申告書の提出状況、所得税等の納税人員の申告状況の推移>
(注1)上記の表中の数値は、令和元年分及び令和2年分共に翌年4月末日までに提出された申告書の計数
<土地等及び株式等の譲渡所得の申告状況>
(注2)上記の表中の数値は、令和元年分及び令和2年分共に翌年4月末日までに提出された申告書の計数
(注3)土地等については総合譲渡所得に係る計数を含む
(注4)株式等については申告人員のうち、譲渡損失を翌年以降に繰り越した人の計数が、令和元年分は561千人に対し、令和2年分は613千人と前年分から9.3%増加
2.ICTを利用した所得税等の確定申告書の提出人員
令和2年分の確定申告人員は22,493千人ですが、そのうちICT利用人員は17,264千人であり、全体の確定申告人員の76.8%を占めます。ICT利用人員の内訳は下記の表のとおりです。また、平成30年分の提出分からスマートフォン等を利用して所得税等の確定申告ができるようになりましたが、スマートフォン等を利用した提出人員は令和元年分では1,075千人でしたが、令和2年分は1,693千人となり、前年比で約1.6倍になりました。
令和2年分の確定申告人員数は前年よりもわずかに増加しましたが、申告納税額は減少する結果となりました。また、自宅等でのICT利用者数は前年よりも増加しています。以前からもICT利用者数は増加しつつありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点及び社会全体のデジタル化の流れが進んでいることから、今後もICT利用者数は増加するものと予想されます。
(文責:税理士法人FP総合研究所)