【No719】「家賃支援給付金」の申請受付が開始されました

  経済産業省が7 月14 日から「家賃支援給付金」の申請受付を開始しました。新型コロナウイルス感染症を契機とした5 月の 緊急事態宣言の延長等により、売上減少に直面する事業者の事業継続を下支えするため、地代・家賃(賃料)の負担を軽減する ことを目的とし、借主である事業者に対して給付金(最大額は、法人600万円、個人事業者300 万円)を一括支給します。

1 賃貸オーナー(家主又は地主)にとってのポイント

  • 借主である事業者(テナント)側が給付を受け、使途は賃料に限定されない。
  • 給付金支給時には、賃貸人または管理業者にも給付金を振り込む旨の通知(給付通知書の発送)がある。

※ 給付金は賃貸オーナーが受け取るものではなく、また、借主である事業者(テナント)側が給付金の一括支給を受けても それを賃料支払いに充てる義務はないため、必ずしも賃貸オーナーのメリットになるとは限りません。しかし、給付金の支給 時に賃貸オーナー側にも通知があることも含めて考えれば、賃貸オーナーが「家賃支援給付金の概要を把握」し、必要に応じ て「借主に家賃支援給付金の申請を促す」ことが、借主からの安易な賃料減額要請を避ける上で重要なポイントになると考え られます。

2 受給の対象者、売上減少などの主な要件

給付金の支給対象は、下記(1)~(3)すべてを満たす事業者です。

  • フリーランスを含む個人事業者、 資本金10 億円未満の中堅企業、中小企業、小規模事業者 (医療法人、農業法人、NPO 法人、社会福祉法人など、会社以外の法人も対象)であること
  • 令和2 年5 月~12 月の期間で下記①②のいずれかに該当すること (売上の減少が新型コロナウイルス感染症の影響によるものに限る。) ① その期間中の1 か月で前年同月比50%以上の売上減少 ② 連続する3 か月の合計で前年同期比30%以上の売上減少
  • 他人所有の土地・建物を、申請者自らの事業のために直接占有し、使用・収益し、賃料を支払っていること

※ 事業のために使用・収益する駐車場の地代も対象

※ 個人事業者の「自宅」兼「事務所」の家賃は、確定申告書における損金計上額など、自らの事業に用する部分に限る。

※ 転貸部分は、給付額算定の対象外 ※ 同族間の賃貸は、給付額算定の対象外 ~ 賃貸人と賃借人が、実質的に同じ人物の取引(自己取引)、配偶者または一親等以内の取引(親族間取引)

3 給付金の算定方法

法人又は個人事業者の別、支払賃料(月額)に基づいて給付額を算定します。

  • 法人:支払賃料(月額)の2/3(75 万円を超える部分は1/3):上限100 万円 の6倍(最大600 万円)
  • 個人事業者:支払賃料(月額)の2/3(37.5 万円を超える部分は1/3):上限50 万円 の6倍(最大300 万円)

(注1) 申請時の直近1 か月における支払賃料(月額)に基づき算定します。

(注2) 共益費や管理費が、賃貸借契約において賃料と一体的に取り扱われているなど一定の場合には賃料の範囲に含まれます。 共益費及び管理費が、賃料について規定された契約書と別の契約書に規定されている場合は、算定の対象外となります。

(注3) 賃料及び共益費・管理費には、消費税などを含みます。

(注4) 地方公共団体から賃料にあてるための支援金を受給している場合などは、給付金が減額される可能性があります。

(注5) 複数月分の賃料をまとめて支払っている場合、2020 年4 月1 日以降に賃料の変更があった場合、賃料が月ごとに変動 (売上額に連動など)している場合などは一定の調整が必要となります。

4 給付申請のタイミングと申請方法

  • 売上減少月の翌月から2021年1 月15 日までの間であればいつでも申請可能であるため、現時点では上記2(2)の 売上減少の要件を満たしていなくても、今年12 月までに要件を満たして申請可能となることもあります。但し、既に要件を満 たしているのであれば審査時間や給付金が入金されるまでの期間も考慮し、早めの申請が望ましいと考えられます。
  • ウェブ(家賃支援給付金ホームページ)上で申請手続を行います。ウェブでの申請が困難な場合は補助員が入力サポート を行う「申請サポート会場」を利用する方法もあります。

(担当:木田高志)

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