【No717】令和元年分の所得税等の申告状況とICTを利用した所得税等申告書の提出状況について
国税庁より令和元年分の申告状況について報道発表がありました。今回は所得税等の申告状況とICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))を利用した所得税等の確定申告書の提出状況についてご説明します。な お、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から令和元年分の所得税等は申告・納付期限が延長されたため、以下に表 記する各計数については、令和元年分は令和2 年4 月末日まで、平成30 年分は平成31 年3 月末日までに提出された申 告書の情報となっています。
1.所得税等の申告状況
所得税等の申告書を提出した人は2,204 万人で、前年分から0.8%減少しました。そのうち、申告納税額のある人は630 万人で前年分から1.3%減少し、申告納税額は3 兆2,176 億円で前年分から2.0%減少しました。申告者数、納税者数及 び申告納税額がすべて減少する結果となりました。 <確定申告書の提出状況、所得税等の納税人員の申告状況の推移>
(注1)上記の表中の数値は、令和元年分は翌年4月末日まで、平成30年分は翌年3月末日までに提出された申告書の計数
(注2)上記の表中の数値は、令和元年分は翌年4月末日まで、平成30年分は翌年3月末日までに提出された申告書の計数
(注3)土地等については総合譲渡所得に係る計数を含む
(注4)株式等については申告人員のうち、譲渡損失を翌年以降に繰り越した人の計数が、平成 30 年分は 595 千人に対し、令 和元年分は561千人と前年分から5.8%減少
2.ICTを利用した所得税等の確定申告書の提出人員
令和元年分の確定申告人員は22,041 千人ですが、そのうちICT利用人員は15,915千人であり、全体の確定申告人員 の 72.2%を占めます。ICT 利用人員の内訳は下記の表のとおりです。また、平成 30 年分の提出分からスマートフォン等 を利用して所得税等の確定申告ができるようになりましたが、スマートフォン等を利用した提出人員は平成 30 年分では 366 千人でしたが、令和元年分は1,075 千人となり、前年比で約2.9 倍になりました。
所得税等の申告・納付期限が延長された影響で数値の集計期間は前年より1 か月間長いですが、確定申告人員数は前年よ りもわずかに減少し、ICT利用率は前年よりも増加しています。以前からもICT利用人員は増加しつつありますが、新型コ ロナウイルス感染症の拡大防止の観点からも、今後もICT 利用者数は増加するものと予想されます。
(担当:関 貴人)