【No700】NISA 口座に関する見直しについて
令和2年度税制改正大綱が発表され3か月が経過しましたが、今月末までに可決承認されることとなっています。税制改正大綱で発表された内容のうち「NISA口座に関する見直し」について、一部ではありますがその概略をご紹介します。
(1)概要
一般NISA終了(令和5年)にあわせ、令和6年1月より新NISA制度が創設されます。つみたてNISAについては5年延長され、新NISAと選択して適用できることとされています。なお、ジュニアNISAについては延長されず終了することとなりました。
(2)特定非課税累積投資契約(仮称)に係る非課税措置の創設
居住者等が、金融所品取引業者等の営業所に開設した非課税口座に特定累積投資勘定(仮称)及び特定非課税管理勘定(仮称)を設けた日から同日の属する年の1月1日以後5年を経過する日までの間に支払いを受けるべきその勘定に係る金融商品から生じる配当等及びその譲渡による譲渡所得については、非課税とされることとなりました。
勘定の種類 | 対象商品 | 買付方法 | 非課税投資額 | 最大投資額 | |
2階 | 特定非課税管理勘定 | 一定の上場株式等 | 制限なし | 102万円 | 510万円 |
1階 | 特定累積投資勘定 | 公募等株式投資信託等 | 定期かつ継続的 | 20万円 | 100万円 |
※新NISAでは、リスクの低い投資信託などに対象を限定した積立枠(1階)と、従来どおり上場株式等にも投資できる枠(2階)を設け2階建ての制度とします。安定資産への中長期的な投資・運用を重視し、原則(※)としてリスクの低い商品に投資した人だけが2階部分の上場株式等にも投資できる制度としています。
※その年分の特定累積投資勘定において、6月以内に公募等株式投資信託の受益権を受け入れている場合に限り、特定上場
株式等を特定非課税管理勘定に受け入れることができることとされています。
※一般NISAを開設していた者又は2023年(令和5年)12月31日以前に上場株式等の取引を行ったことのある者のうち、特定累積投資勘定に公募等株式投資信託を受け入れないことを証券会社等に届け出た者は、上場株式を特定非課税管理勘定に入れることができます。
(3)一般NISAと新NISAの比較
項目 | 一般NISA(現行) | 新NISA(改正) |
制度の開始 | 平成26年( 2014 年) 1 月 | 令和6年( 2024 年) 1 月 |
利用できる方 | 日本に居住する20歳以上の方 (口座を開設する年の1月1日現在) |
日本に居住する20歳以上の方 (口座を開設する年の1月1日現在) |
非課税対象 | 株式・投資信託等への投資から得られる 配当金・分配金や譲渡益 |
株式・投資信託等への投資から得られる 配当金・分配金や譲渡益 |
非課税投資枠 |
新規投資額で毎年120 万円 (2015 年以前は 100 万円)が上限 |
新規投資額で毎年以下の金額が上限 ①特定累積投資勘定・・・20万円 ②特定非課税管理勘定・・・102万円 |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長5年間 |
投資可能期間 | 2014年~ 2023 年 | 2024年~ 2028 年 |
投資対象商品 | 株式・投資信託等 | ①特定累積投資勘定→公募 等株式投資信託 ②特定非課税管理勘定→一定の上場株式等 |
運用管理者 |
口座開設者本人 |
口座開設者本人 |
払出 |
いつでも払出・売却が可能 |
いつでも払出・売却が可能 |
(担当:西田 良)